【J-1ビザのリアル】給料はいくら?物価高のアメリカで生活できる?在住者の懐事情を全公開

渡米後

こんにちは、ロサンゼルス在住のKenkeeenです。

前回の記事では、キャリアに悩む20代の皆さんへ、周りと差がつく経験としてアメリカの企業で最大18ヶ月間働ける「J-1ビザ」インターンシップをご紹介しました。英語を使った実務経験は、あなたの市場価値を飛躍的に高める強力な武器になる、というお話でした。

きっと多くの方が、「キャリアにとって大きなプラスになることは分かった。でも…」と、心の中でこう呟いているのではないでしょうか。

「で、実際のところ、インターンシップってお金の面は大丈夫なの?」
「給料はいくら貰えて、物価が死ぬほど高いアメリカで、本当に生活していけるの?」

その疑問、痛いほどよくわかります。夢やキャリアプランも、立つべき足元の生活基盤がなければ絵に描いた餅になってしまいますからね。

そこで今回は、前回の記事からさらに一歩踏み込み、誰もが気になる**「J-1ビザインターンのお金の話」**を、包み隠さずお話ししたいと思います。私が実際にロサンゼルスでいくら稼ぎ、何にいくら使って生活しているのか。そのリアルな懐事情を、ありのままお伝えします。

この記事を読み終える頃には、J-1ビザでの生活が、より具体的で、現実的な選択肢として見えてくるはずです。

結論:J-1ビザの給料は「州の最低賃金」が基準

まず、皆さんが一番知りたいであろう報酬(給料)から。一体いくらもらえるのでしょうか。

様々な求人情報や、J-1ビザで働く友人たちの話を聞く限り、結論はこうです。
「インターンシップを受け入れる州が定める、最低賃金(Minimum Wage)程度の報酬を設定している企業が大多数」

これは、J-1ビザが「研修」を目的としたプログラムであるため、高額な給与が支払われるケースは稀だという背景があります。企業側は、研修の機会を提供する代わりに、報酬は法令で定められた最低限のラインで設定するというスタンスが一般的なのです。

では、具体的に見ていきましょう。私が住むカリフォルニア州を例にお伝えします。

2025年現在、カリフォルニア州の最低賃金は時給$16.50です。
これを基に、フルタイムで働いた場合の月収を計算してみましょう。

  • 計算式: 時給$16.50 × 1日8時間 × 月20日勤務 = $2,640/月

実際に私がJ-1ビザの求人を探していた際も、月収2,700〜3,000ドルのレンジで募集している企業が多かったと記憶しています。上記の計算とほぼ一致しますね。

日本円換算の甘いワナに注意!

「え、月収2,640ドル?今の為替レート(1ドル147円と仮定)で計算したら…**日本円で約39万円!?**全然いいじゃん!」

そう思ったあなた、少しお待ちください。その感覚は、アメリカ、特にカリフォルニアで生活する上では一度リセットする必要があります。

確かに、日本円の金額だけを見れば、日本の20代の平均月収を上回るかもしれません。しかし、ご存知の通り、アメリカは物価、特に家賃や外食費が日本とは比べ物にならないほど高い国です。その中でもカリフォルニア州は、全米でトップクラスに物価が高いエリア。
私の大好きな豚骨ラーメンは、カリフォルニアでは20ドル程度(約3,000円)は普通にします…。あぁ、なんて高級な食べ物なんだ。。

ですから、日本円換算の金額に惑わされてはいけません。はっきり言ってしまうと、この金額で裕福な暮らしは、残念ながらできません。高級レストランでディナーを楽しんだり、ブランド品を気軽に買ったり…という生活は夢のまた夢です。

「報酬だけで生活は可能?」その疑問に答えます

では、次の疑問です。
「裕福じゃないのは分かった。でも、貯金を切り崩さないと生活できないレベルなの?」

これに対する答えは、**明確に「NO」**です。

贅沢はできませんし、常に節約を意識する必要はありますが、J-1ビザで得られる報酬のみで、アメリカでの生活を賄うことは十分に可能です。

ここからは、その根拠となる私自身のリアルな月々の生活費を、恥ずかしながら全公開します。これが、カリフォルニアでJ-1ビザ生活を送る一つのモデルケースとして、皆さんの参考になれば幸いです。

【実録】LA在住J-1ビザ研修生のリアルな月間生活費(2025年版)

恥ずかしいので、1ドル単位で細かくは公開しませんが、それぞれの費用はほぼ実績通りの数字となっています。

  • **手取り月収(仮):約2,600ドル(総支給2,900ドルから税金などを引かれた額と想定)

  • **家賃:800(ルームシェア)∗∗これが生活費を抑えるための最重要ポイントです。ロサンゼルスでワンルームのアパートを借りれば、安くても1,800ドルはします。それでは到底生活できないため、私を含め多くの若者はアパートや一軒家を複数人でシェアして暮らしています。私はリビング・キッチン・バスルームを共有する3LDKの一室を借りて、この家賃を実現しています。
    ルームシェアは、「びびなびロサンゼルス」というロサンゼルスに住む日本人向けの情報サイトで募集が日々されています。
    大体、家賃の相場は700ドル~1,000ドル程度です。
  • 食費:$500
    最近は自炊を少しサボり気味で、週に2〜3回は外食やテイクアウトを利用しています。それでも、基本はスーパーで食材を買い込んで自炊することで、この金額に抑えています。真面目に自炊すれば、もっと節約も可能です。
    ちなみに、自炊を頑張った月は350ドル代に抑えることができました!
  • 車のローン:$270
    ロサンゼルスは完全なる車社会。車がないと生活が成り立ちません。渡米後に中古車を購入し、そのローンを月々支払っています。
  • ガソリン代:$100
    幸い、私の職場は家から車で15分程度の距離なので、ガソリン代はかなり抑えられています。もしフリーウェイを使って長距離通勤になる場合は、この倍以上の金額になる可能性もありますので、通勤距離が短いところに住む場所を探すというのも大事な節約術です。
  • 自動車保険代:$170
    アメリカの自動車保険は日本より高額で、特に渡米したばかりでアメリカでの運転歴が短いと、保険料は高くなる傾向にあります。年々少しずつ上がっているのも悩みの種です。
  • 携帯代:$27(格安SIMのTello)∗∗これはかなりの節約ポイント。以前の記事でも紹介した格安SIM「Tello」を利用しています。大手キャリアなら60ドル以上はするので、大きな差です。しかも、このプランには日本を含めた多くの国への国際通話が無料**で含まれており、非常に重宝しています。
  • 日経新聞(電子版):$29
    アメリカにいても、日本のビジネスニュースや社会情勢は常にキャッチアップしておきたいので、自己投資として契約しています。
  • YouTubeプレミアム:$9
    これは日本のアカウントを継続して利用しているため、アメリカで契約するより少し安く使えています。ちょっとした節約術ですね。
  • 交際費:$300
    せっかくのアメリカ生活、人との繋がりは大切にしたいもの。同僚との飲み会や、友人とドジャース観戦に行くなど、人付き合いのための費用です。ここを削りすぎると、生活が味気なくなってしまいます。

  • 【支出合計】 $2,205

毎月400ドルの余剰金。貯蓄も投資も可能!

いかがでしょうか。
手取り月収2,600ドルから、支出合計2,205を引くと…

$2,600 – $2,205 = $395

毎月約400ドルの黒字を確保できています。この余剰資金を、私は貯蓄に回したり、アメリカの証券口座で投資信託などの資産運用に充てたりしています。

もちろん、これはあくまで一例です。急な出費がある月は赤字になることもありますが、平均すれば、報酬の範囲内で十分に生活し、将来のための資産形成まで行えているのです。

祝日の連休には国内旅行も!

「でも、旅行とか行く余裕はないんでしょ?」と思われるかもしれません。

確かに、頻繁には行けません。しかし、アメリカは祝日が少ない代わりに、祝日と週末を組み合わせた3連休が年に数回あります。そういった機会を利用して、ラスベガスや国立公園などへ国内旅行に出かけることも可能です。

そのために、旅行前の1〜2ヶ月は少し外食を控えたり、飲み会を1回我慢したり…といった涙ぐましい(?)努力は必要です。しかし、そうした工夫とメリハリ次第で、アメリカ生活の醍醐味である余暇をしっかりと楽しむこともできるのです。

この選択肢が、あなたにとって「現実的」である理由

ここまで読んでいただき、J-1ビザでの生活がどのようなものか、少しは具体的にイメージできたでしょうか。

最後に、この選択肢がどのような人に向いているかを改めて整理します。

この生活スタイルは、ルームシェアを前提としているため、正直に言って、**ご家族がいる方にはお勧めできません。**パートナーやお子さんと一緒に渡米するには、経済的にかなり厳しいと言わざるを得ないでしょう。

しかし、30代以降のキャリアを本気で飛躍させたいと考える、20代半ば以降の独身の方にとっては、これ以上なく現実的で、リターンの大きい選択肢だと私は断言します。

失うものは、日本での安定した(しかし、少し物足りないかもしれない)1年半。
得られるものは、お金には到底換算できない、「英語での実務経験」という一生モノのスキル、グローバルな人脈、そして何より、異国の地で自力で生き抜いたという揺るぎない自信です。

目先の贅沢はできなくても、未来の自分への最大の投資になる。
J-1ビザでの生活は、まさにそんな時間なのです。

もしあなたが、今のキャリアに停滞感を感じ、何かを突破するきっかけを探しているのなら。
この「リアルな懐事情」を知った上で、それでも「挑戦してみたい」と心が動いたのなら。

その直感を、信じてみませんか?

Good Luck!!
Kenkeeen

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