【在住者が解説】トランプ政権の移民政策は大丈夫?ロサンゼルスのリアルな現状と旅行者への影響

ひとりごと(カテゴリー無!!)

こんにちは。ロサンゼルス在住のKenkeeenです。このブログでは、アメリカでのリアルな生活情報をお届けしています。

さて、ニュースを見ていると、トランプ政権による厳しい移民政策、特に「不法移民の強制送還」といった話題が頻繁に取り上げられています。日本でも「アメリカは今、移民に対して厳しくて今アメリカに行くのはリスクが高いのでは?」と感じている方が多いのではないでしょうか。

「これからロサンゼルスに旅行や出張で行くけど、大丈夫かな?」
「アメリカへの駐在や留学が決まったけど、なんだか不安だなぁ…。」

こうした声を聞くたびに、現地に住む者として、報道されているニュースと私たちが日々肌で感じている現実との間には、少し温度差があると感じています。

そこで今回は、移民の街ロサンゼルスに住む私の視点から、トランプ政権の移民政策のリアルな現状、そしてこれからアメリカを訪れる皆さんが本当に心配する必要があるのか、という点について率直にお伝えしたいと思います。

移民と共に成り立つ街、ロサンゼルス

まず大前提として、私が住むカリフォルニア州、特にロサンゼルスという街は、移民なくしては成り立たないと言っても過言ではありません。太平洋とメキシコ国境に近いという地理的な特性もあり、歴史的に見ても世界中から多くの人々を受け入れてきた、まさに多様性のるつぼです。

私の住むエリアも、アジア系やラテン系の住民がごく普通に隣人として暮らしています。街を歩けば、英語よりもスペイン語が飛び交うエリアも珍しくありません。(少し大袈裟かもしれませんが)

美味しいメキシカンレストランが多いのはもちろんのこと、日本食レストランや韓国系スーパーに行っても、厨房やバックヤードで働くスタッフにはメキシコなど中南米からの移民がたくさん働いています。そして、残念ながら就労ビザを持たない「不法移民」という人も少なくない、と囁かれているのが現実です。

彼らのような移民労働者が、この街のレストラン、農業、建設業、清掃サービスといった様々な産業を、文字通り最前線で支えているのです。

連日報道される「強制送還」のニュース。その実態は?

そんな日常がある一方で、ニュースでは厳しい現実が報じられています。トランプ政権が発足して以来、ICE(移民・関税執行局)による不法移民の摘発と強制送還が強化されました。

報道によれば、これまで10万人以上の不法移民が強制送還され、そのペースは過去10年間で2倍以上とも言われています。

こうしたニュースはアメリカの主要メディアで日々トップニュースとして扱われ、当然、私たち在米日本人の間でも「次は私たちの番かもしれない」「永住権を持っていても安心できないのでは?」といった不安の声が囁かれることもあります。

しかし、ここで一度冷静に、報道されている情報や、実際に摘発されている人々の状況を整理してみる必要があります。すると、ある共通した特徴が見えてきます。

強制送還の本当のターゲットは誰か?

私が日々見聞きする情報や、周りのアメリカ人の話を総合すると、ICEによる強制送還の対象となる人々には、主に2つの明確な特徴があることがわかります。

  1. 滞在資格(ビザ)がない不法移民(不法就労者)であること
  2. そして、アメリカ国内で何らかの犯罪歴があること

つまり、ICEの執行活動は、無差別に外国人や移民を狙っているわけではなく、**「犯罪歴のある不法移民」**を最優先のターゲットとしている、ということです。

もちろん、軽微な交通違反などをきっかけに不法滞在が発覚し、摘発されるケースもゼロではありません。しかし、メディアで大きく報じられるような大規模な摘発作戦の対象は、主にギャング組織のメンバーや、過去に重大な犯罪を犯した記録のある人物に集中しているのが実情です。

この事実からわかるのは、私を含め、正規のビザ(駐在員ビザ、学生ビザ、配偶者ビザなど)を保有して合法的に滞在し、アメリカの法律を守って生活している大多数の日本人は、ICEによる強制送還を過度に心配する必要はない、ということです。

街のリアルな空気感は「いつも通り」

では、ロサンゼルスの街の雰囲気は、こうした厳しい政策によってピリピリしているのでしょうか?移民たちは恐怖におびえ、家に閉じこもっているのでしょうか?

答えは「NO」です。

少なくとも私が日々生活している中で感じるのは、驚くほど「いつも通り」の日常です。

私自身、移民政策の強化以降、街で警察官から職務質問を受けたことは一度もありませんし、街中でICEが検問をしているような光景に出くわしたこともありません。

ヒスパニック系の多いエリアのスーパーマーケットは今日も家族連れで賑わっていますし、フードトラックでタコスを売るおじさんも陽気に営業しています。移民たちが外に出るのを恐れて街から姿を消した、というような印象は全くありません。

日本の一部では「移民が街から消えて経済活動が停滞している!」といった報道がされていると聞きます。もちろん、そうした影響が出ている地域や産業もアメリカのどこかには存在するのかもしれません。その報道が完全に間違っているとは思いません。

しかし、それはあくまでアメリカという広大な国全体で見たマクロな話であり、少なくとも私たちがロサンゼルスで生活するミクロな視点では、報道から受ける印象との間に大きなギャップがある、というのが正直な感想です。報道は時に、視聴者の関心を引くために、最もセンセーショナルな側面を切り取って強調する傾向がある、ということも頭の片隅に置いておくべきでしょう。

結論:アメリカは、ルールを守る人に寛容な国

この記事を通して私がお伝えしたいのは、ただ一つです。

これからアメリカへの旅行を考えている方、出張を予定している方、そして大きな希望と少しの不安を胸に、アメリカでの新生活をスタートさせようとしている方へ。

ESTA(電子渡航認証システム)や各種ビザを正しく取得し、法律で許可された範囲内で滞在・就労するのであれば、何も恐れることはありません。

アメリカは、トランプ政権下であっても、世界中から来た人々がそれぞれの文化を尊重しながら、ごく普通に、そして堂々と生活している国です。

ニュースの断片的な情報だけで過度に不安になることなく、安心してアメリカに来てください。この国でしか味わえない素晴らしい経験が、あなたを待っています。

Good Luck!!
Kenkeen

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